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アンデス・ブランカ山群(2)----アマゾン側から太平洋側へ
                    戻るトレッキング
  
 アンデス・ブランカ山群(1)は、いかがでしたか。

 アンデス・ブランカ山群(2)では、いよいよトレッキングを紹介する。
ヤンガヌコ峠(4737m)で太平洋側からアマゾン側(大西洋側)へ移り、ウニオン峠(4750m)で再び太平洋側に戻る。 2つの峠は南米の大分水嶺上にあり、いずれもプレ・インカの道である。

 天候がよければ、トレッキング中に、 ワスカラン(6768m)、 ワンドイ(6395m)、 チャクララフ(6112m)、 アルパマヨ(5947m)、 サンタ・クルス(6259m)などの名峰を展望できるはずである。 これらの山々は、写真家の白川義員氏によって「世界百名山」に選べれたものである。

 アンデス・ブランカ山群トレッキング11日間の
前半をアンデス・ブランカ山群(1)に、後半をアンデス・ブランカ山群(2)にまとめた。 合せてご覧下さい。                        (2004年7月)
世界で一番美しい山といわれる
アルパマヨ(5947m)
国  名 ペルー共和国
首  都 リマ
政  治 共和制
1821年スペインより独立
1945年国連加盟
面  積 129万km2 日本の3.4倍
人  口 2,795万人
インディオ47%、メスティソ(白人とインディオの混血)40%
ヨーロッパ系12%、東洋系1%
言  語 スペイン語、ケチュア語(以上公用語)、アイマラ語
宗  教 カトリック90%
産  業 農水産業と鉱業が柱。農業では綿花、サトウキビ、トウモロコシ、コーヒーなど。牧畜では羊、アルパカ、ラマなど。漁獲高は世界屈指。地下資源では銅、銀、鉛、石油を産出する。小麦、肉類など多くの食料を輸入に頼っている。
1人当GNI 2000米ドル/年 日本の1/18
南米ペルーの地図
  
ルート図  アンデス・ブランカ山群(2)の詳細地図 ( ━━ は(2)の行動範囲)
  

  
ヤンガヌコ谷からパリア谷出合いへ
 
旅程の5日目、専用車でヤンガヌコ谷の幕営地を出発し、ワスラカンなどの氷峰を眺めながら、ヤンガヌコ峠(4737m)を越えて、モロコーチャ谷を下り、ヴァケリアに着く。 ここで車を降り、トレッキングを開始した。 
  
ヤンガヌコ峠(4737m)から眺めるペルー最高峰のワスカラン
左が南峰(6768m) 右が北峰(6655m) 鞍部から氷河が流れ出している
  
A
   ワスカランを少し別の角度から撮ったもの
生憎、上半分が露出オーバー、下半分が露出不足であるが、見えているのは南峰。 鞍部から流れている氷河が識別できるように画像処理をした。 氷河の下方に過去の氷河が残したモレーン(氷河が周囲の岩を削ってできた堆積物の丘)が見られる。 過去200万年間に北半球では4〜5回の氷河期があったというが、南半球についてはまだよく分からないようだ。
      左の写真と反対方向を撮ったもの
つまり、U字谷の下流を撮った写真である。2つの湖は下流が女湖、上流が男湖。昨夜の幕営地は手前の男湖の近くであった。巨大なU字谷は氷河で削られて出来たとされているが、本当に氷河で削られたとは信じられないほど大きい。
 
 
  
ガスの切れ目に顔を出したワンドイの4つの峰?(最高峰は6395m)
 
ヤンガヌコ峠を越えてモロコーチャ谷に出て、ヴァケリア(3700m)で車を降りる。 ここで、ロバ10頭と馬1頭の準備を待ち、いよいよトレッキングを開始する。10頭のロバは荷物運搬用。1頭の馬は疲れた客の運搬用だ。
 
A A
ワリパンパ谷沿いに歩く トマトとナスの合の子のような植物 我々はトマトナスと呼んだ
 
A
のんびりと遊ぶ子供たち 羊の世話をする子供
 
広いU字谷で放牧された羊
 
A
放牧された馬
 
ようやく今日の幕営地パリア谷出合いに着く。現地スタッフがテントを張って待っている。
 

  
パリア谷出合いからタウリパンパへ
(ウニオン峠越え)
  
6日目は、アマゾン側から太平洋側へのウニオン峠(4750m)越えの日である。 昨日のヤンガヌコ峠(4737m)では生憎天気がよくなかったので、今回望むことは天候だけである。
  
A
昼食は簡単だが、必ずスープを作ってくれる。アンデスの現地スタッフは、ロバ使い、幕営地の設営、コックを兼ねる。ネパールのようにカーストがなく、働き者だ。            馬に乗るS氏
乗馬は平地では乗り心地はなかなかいいが、急坂の一枚岩では馬が足を滑らせることがあり、少々神経が疲れる。 
  
U字谷を上り詰めると、急な岩壁が待ち受ける
 
A
一見登るのが困難そうな岩壁にも、馬が登れるルートがある。 これがプレ・インカの道である。
インカ帝国が栄えたのは15世紀後半から16世紀前半である。 それ以前はプレ・インカ時代といわれる。
こんな岩壁に咲く華麗な花
現地ガイドは「リマリマの花」といっていた。
 
 
  
A
         ウニオン峠(4750m)
峠のこちら側がアマゾン側(大西洋側)、向うが太平洋側である。馬が通れるだけの幅に切り開かれている。
ウニオン峠の太平洋側で記念写真
 
 
  
峠から間近に見えるタウリラフ(5830m)
  
峠から太平洋側を見下ろすと、大きなU字谷と氷河湖
今日の幕営地はこの湖の手前だ
  
A
幕営地タウリパンパ(4100m)
から見るタウリラフ(5830m)
タウリラフ暮色
 
  
A
夜のタウリラフと明けの明星 南十字星(右の4つの星)
  

  
タウリパンパからヤマコラルへ
  
7日目は、タウリパンパ(4100m)からヤマコラル(3600m)まで、サンタ・クルス谷を下る。 天気がよければ数々の5〜6000m峰が眺めれらるはずである。
  
黎明のキタラフ(6036m)
 
左キタラフ、右アルパマヨ
 
               アルパマヨ(5947m)
世界で一番美しい山といわれる。 こちらは東面だが、南西面からだとヒマラヤ襞(ひだ)が素晴らしいという。
 
左はパリア(5510m)、右はピラミデ(5885m)
 
現地ガイドは「ワリカーシャの花」といっていた。
サボテンの一種と思われる。
  
広大なU字谷と放牧された牛
ここを馬の背に揺られて下った数kmはほんとうに長閑で、気持がよかった
  
ヤマコラルからモンテレーへ
  
ヤマコラル(3600m)で最後の幕営を惜しんだ後、8日目はいよいよトレッキング最終日となった。 今日の期待は名山サンタ・クルス(6259m)を眺めることである。 下山後モンテレーの町にある温泉を訪ねるのも楽しみである。 この日はモンテレー泊
  
A
岩峰に懸かる下弦の月
 
 
     トレキングの終点、カシャパンパの村(2900m)
ここで、現地山岳スタッフ、ロバ、馬と別れ、専用車でモンテレーに向かう。
  
               サンタ・クルス(6259m)
下山中の車からサンタ・クルスが遠望でき、急いで車を降りて撮影した。 形はスイスのマッターホルン(4478m)に似ているが、どことなく優雅で、アンデスの名山といえる。
  
A
昼食は、カラツの町で、久しぶりに瀟洒なレストランに入る。文明の味(?)インカコーラが美味かった。
  
A A
ペルーの二大コーラブランドは、インカコーラとリアルコーラ
 
 
山中で見たサンペテロ(サボテンの一種)。メスカリンという幻覚剤の原料になる。
 
A
モンテレーの町の温泉に行く。プールやレストランがあり保養地の雰囲気である。温泉自体は個室で、自分で
バスタブに赤茶けた湯を入れる。上がり湯もなく質素なもの。(狭い浴室で、パノラマ写真がうまく撮れなかった)
 

  
モンテレーからリマを経て帰国
  
モンテレーの町で温泉を楽しんだ後、往路と同じ長い陸路を走ってリマに帰り一泊し、翌日リマから帰国した。
  
      コノコーチャ峠(4050m)付近で出会ったリャマの群
リャマは、主にペルー、ボリビアの標高2200〜4000mの高地草原に生息するラクダ科の動物。輸送用役畜として飼育されている。リャマによく似たアルパカの毛は、毛織物用の高級獣毛として珍重される。
  
リャマに別れを告げ、リマでペルー最後の夜を過ごし、ヒューストン経由で
帰国の途に着いた。
  
ワスカラン
(6768m)
ワンドイ
(6395m)
チャクララフ
(6112m)
アルパマヨ
(5947m)
サンタクルス
(6259m)
今回のトレッキングで展望した上の5つの山は、写真家の白川義員氏によって「世界百名山」に選べれたものである。このような山々にお目にかかれ、今回は本当に幸せな山旅であった。

なお、前半は天候が悪くガスが懸かっていたため、山の同定に誤りがあるかもしれない。お気づきの方には教えて頂きたい。
  
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